
― “おめでたさ”と“整った美しさ”をつくる器の選び方 ―
お正月は、一年でいちばん
家族が集まり、食卓が賑やかになる日。
そんな「家族のしあわせ」が集まる食卓は、
器の選び方ひとつでぐっと華やぎ、お祝いの雰囲気がより深まります。
年の始まりにいただく“お正月料理”には、
それぞれに意味や願いが込められています。
家族の健康、商売繁盛、長寿、良いご縁。
料理ひとつひとつに願いがあるからこそ、
それを受け止める器も「意味」を宿したい。
M苦楽園が提案する
器選びで整えるお正月のテーブルをご紹介します。
1, 【色選び】お正月が一気に華やぐ“赤・白・黒・金”の使い方

お正月は、一年の始まりを“色”で整える大切な時期。
日本では古来より、色には神聖な意味が込められており、
新年にはこの4色を中心に食卓を整えるのが習わしとされてきました。
それぞれの色が持つ縁起の良さを知ることで、
器選びやテーブルコーディネートがより一層“意味のあるしつらえ”になります。

赤 ― 魔除け・喜び・生命力
赤は、最も神聖で力のある色とされ、「邪気を祓う色」として古くから使われてきました。
赤飯・紅白餅・水引の赤など、祝いごとに赤が使われるのはそのためです。
赤い蓋物や赤絵の小皿などの赤を“差し色”にすると、食卓がぱっと華やぎます。

白 ― 清らかさ・新しい始まり・浄化
白は古来、“穢れがない色”として神事に多く使われてきました。
新しいものはまず白から始まるという考え方が日本にはあります。
例えば,お正月の鏡餅の白、白酒、白いごはん、白祝儀袋──
白は、新年の純粋さ・浄化・リセットを象徴しています。
お正月料理を一段と清らかに見せてくれる存在。

黒 ― 格を上げる・厳かさ・重厚さ
黒は“高貴な色”として扱われてきた、日本独特の文化です。
漆黒の重箱が正月の象徴であるように、
黒は “場を引き締め、格を上げる色” とされています。
黒には、光を吸収して食材の色を際立たせる効果もあり、
黒豆、昆布巻き、数の子などの色が一層美しく見えるのも特徴。
器では、黒の重箱、黒い長皿、黒の箸置き、黒い小鉢
などを一点加えるだけでお祝いの席に重厚な品格が生まれます。

金 ― 福・繁栄・豊かさ・光
金は“太陽”や“光”を象徴する色で、
福が集まり、豊かさが広がる色とされています。
お正月の金箔入りのお屠蘇、金の水引、金の箔押し
すべて「福を招く」ためのもの。
器でも金は、上品に使うと食卓が一気に“祝の席”に格上げされます。
落ち着いた華やぎを添え、
和モダンのお正月を美しく仕上げてくれます。
2,【形の選び方】器の形で“お祝い感”を演出する

器の形にも意味があります。
六角 … 六角形は「亀甲(きっこう)」として、長寿と永遠の繁栄の象徴とされ、
古くから縁起が良いとされています
丸皿 … 「円満」「円」と「縁」をかけて「縁起が良い」とされています
角皿 … 十六角形は縁起の良いとされる「六角形」や「八角形」の要素を内包し
それらの意味をさらに発展させたものできりりと整う
小さな蓋物 … 「寿」「長寿」「末広がり」などを意味するものが縁起が良いとされ、
特別感を演出
例えば、白い十六角皿をベースにすると余白が美しく出てお正月らしい清らかさが生まれます。
その上に赤い蓋物、ガラスの小鉢、金縁の豆皿など形の異なる器を組み合わせると
“新年の喜び”と“上品さ”の両方を感じられるテーブルに。
形の違いがリズムをつくり料理ひとつひとつが引き立つようになります。
3,【器の重ね方】小鉢や豆皿で高低差をつける

黒豆 → お正月といえば 黒豆。「まめに働き、まめに暮らす」という意味がある縁起物です。ガラス花小鉢へ
なます → 紅白なますは、水引の“紅白”を表し、「良いご縁を結ぶ」という意味がある料理。小ぶりの白磁椀へ
数の子→ 数の子は子だくさんの象徴。古くから“家の繁栄”を願う料理として親しまれてきました。角皿で引き締める
栗きんとん → 栗きんとんは“金の団子=金運”の象徴。赤×金蓋付の小鉢で特別感を

重箱には
「福を重ねる」「良きことが積もる」という意味があります。
でも、重箱だけで完結させるのではなく、ガラス豆皿、曲線の小鉢、金縁アイテムと組み合わせることで、
食卓に 高低差とリズム が生まれ、家族が見て楽しい“祝いのテーブル”に変わります。
4,【お正月だけじゃない】家族のハレの日に使える器選び

今回のコーディネートに使った器は、
お正月だけでなく、誕生日・お祝いごはん・来客時・季節の行事
どんな“ハレの日”にも使える組み合わせ。とくに八角皿・豆皿・ガラス小鉢・重箱は
一年中活躍する“グッドバランス”な器です。。

家族のために整えるお正月は、器から始まる
赤はお祝い、白は希望、黒は品格、金は華やぎ。
それぞれの意味を知って使い分けることで、
食卓はただ華やかになるだけでなく、
“家族の幸せを願うテーブル” に変わります。
今年のM苦楽園のお正月コーディネートは、
そんな願いを器で形にしたしつらえ。
どうぞ、大切なご家族と迎える新しい一年が
美しく、晴れやかで、あたたかいものでありますように。



















